【陰陽座】“魂を抱きしめるヴォーカル”黒猫の魅力を解説

陰陽座

近年ヘヴィメタルジャンルでの女性の活躍が目覚ましい。

しかし、90年代後半から2000年代初めは、女性がヘヴィメタルを演奏したり歌うことについて、厳しい見方があった。

そんな女性ヘヴィメタル不遇の時代に活動をはじめたのが、陰陽座の黒猫だ。
今回はヴォーカリストとしての黒猫の魅力を解説する。

単一的な価値観を破壊した歌声

陰陽座が結成された90年代後半は、ヘヴィメタルは男性のものであるという考え方が強く、女性であっても力強いハスキーな声で歌う男性的なヴォーカルしか認められない風潮があった。

そんな中で黒猫は、自身が女性であるということに誇りを持ち、無理に男性的な歌い方をすることなく、ヘヴィメタルジャンルにおいて独自の表現を貫いてきた。

例えばアルバム「覇道明王」収録の「飯綱落とし」は、普通ならパワフルに歌い切るところだが、作品のストーリーや登場人物の心情を反映して、鋭く突き刺さるようなファルセットで痛切な思いを表現している。

現在ではヘヴィメタルで女性ヴォーカルが女性らしく歌うことは珍しく無くなっている。

LIGHT BRINGERのFukiのように、黒猫からの影響を公言するヴォーカルが出てきていることからも、20年に渡る黒猫の活動が、近年のヘヴィメタルジャンルにおける女性の活躍に対して影響を与えたことは間違い無いだろう。
LIGHT BRINGERインタビュー/激ロック

歌による幅広い感情表現

黒猫のヴォーカリストとして特筆すべきなのが、単に歌唱力が高いだけでなく、歌による感情表現が非常に巧みなところだ。

能や歌舞伎の演目で有名な「安珍・清姫伝説」を題材にした「道成寺蛇ノ獄」では、序盤は悲しみや切なさをと恨みや憎しみの感情を、同じ曲の中で違和感なく歌い上げている。
※YouTubeではフルサイズで聴くことができないため、ぜひCDや配信サイトで聴いて欲しい

まとめ

黒猫の歌が陰陽座の魅力の大きな部分を占めている。

陰陽座には多彩な楽曲があり、その中で黒猫は様々な表現を見せてくれる。

今回紹介した作品以外のものも是非聴いてほしい。

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