Windows98の発売やGoogleの設立のあった1998年に、当時まだ黎明期だったインターネットをテーマにしたヒット曲が世に出された。
それがhideのピンクスパイダーだ。
ピンクスパイダーがインターネットをテーマにしていたことは当時から知っていたが、スマホの普及によって誰もがネットに繋がるようになった今の時代に、その歌詞の意味をようやく実感を持って理解できるようになったと思う。
ネット社会の負の側面が表現された歌詞
君は 嘘の糸張りめぐらし 小さな世界 全てだと思ってた
近づくものは なんでも傷つけて 君は 空が四角いと思ってた
SNSの普及で情報の伝達速度が格段に増した反面、誤った情報やフェイクニュースも拡散されやすくなり、「嘘の糸」が「張り巡ら」された世界になってしまった。
自分にとって都合の良い情報だけを集めて、「小さな世界」を「すべてだと思」い込むこともできる。
「近づくものはなんでも傷つけ」るような、誹謗中傷やヘイトスピーチも、しばしば問題視されている。
このようにピンクスパイダーの歌詞には、現代のネット社会の負の側面を表現するような言葉が盛り込まれている。
実際の体験が反映されているのか?
hideは当時からすでに自分のホームページを作って、ファンとコミュニケーションを取っていたそうだ。
ピンクスパイダーの歌詞は、自身の体験からネットの負の側面を感じとって、それが表現されたものなのかもしれない。
あるいはネットが普及したらどうなるか、実際の体験を踏まえて仮説を立て、それを作品に落とし込んだとも考えられる。
いずれにしてもピンクスパイダーの歌詞には、現代のネット社会を連想させられる表現が盛り込まれており、hideの先見性の高さを窺い知ることができる。
三部作のうちの一つとして
ピンクスパイダーは、ROCKET DIVEから繋がりever freeへと続く三部作のうちの一つの作品という側面もある。
ROCKET DIVEやever freeの歌詞を踏まえた上でピンクスパイダーの歌詞を見てみると、今回解説した内容とはまた違ったメッセージを読み取ることができる。
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