祝人気ランキング1位!『聖戦士ダンバイン』3つの魅力について解説

聖戦士ダンバイン 漫画・アニメ

4月20日から5月3日まで、ねとらぼ調査隊で「ガンダムシリーズ以外で、あなたが一番好きな1980年代のサンライズ制作ロボットアニメ作品はどれ?」というアンケートが実施された。

その結果『聖戦士ダンバイン』が1位に輝いた。

今回はそんな『聖戦士ダンバイン』の魅力を3つに絞って解説する。

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時代を先取りしすぎた「異世界転生・召喚もの」

『聖戦士ダンバイン』は主人公ショウ・ザマが中世ヨーロッパ風の異世界「バイストン・ウェル」に召喚され、「オーラバトラー」と呼ばれるロボットに乗って戦うという内容の作品だ。

オーラバトラーはオーラ力(おーらちからと読む)と呼ばれる人の精神エネルギーを動力源としており、地上人はバイストン・ウェルの住人よりもオーラ力が強く、オーラバトラーに乗った時の戦闘力が高くなる。

ここ数年の人気ジャンル「異世界転生・召喚もの」を思わせる設定だが、『ダンバイン』は1983年放送開始のアニメなので、40年近く前に現代のヒットジャンルを先取りしていたことになる。

しかし当時はまだファンタジー的世界観が一般には浸透していなかったこともあり、シリーズ途中から路線変更しているので、時代を先取りしすぎた作品と言える。

あるいは40年経ってようやく世間が『ダンバイン』に追いついたと言えるかもしれない。

独特のデザインのロボット“オーラバトラー”

『ダンバイン』は舞台設定だけでなく、ロボットのデザインもそれまでのアニメとは一線を画している。

『ダンバイン』に登場するロボット・オーラバトラーは昆虫をモチーフにしたデザインとなっており、曲線を多用した生物的なフォルムとなっている。

設定的にも装甲や駆動系に強獣と呼ばれるバイストン・ウェルに棲息する巨大な生物の甲殻や筋肉組織を利用しているとされ、生物的なフォルムに理由を持たせている。

個人的にすごく好きなオーラバトラーのデザインだが、当時のターゲット層の子どもには恐がられ商業的には不振に終わったらしい。

魅力的な敵キャラクター

個人的に敵キャラが魅力的な作品は名作が多いと思うが、ダンバインにも魅力的な敵キャラが多く登場する。

今回はその中で、バーン・バニングス、トッド・ギネス、ジェリル・クチビの3名を紹介する。

バーン・バニングス

本作のラスボス的存在であるドレイク・ルフトの軍の戦闘隊長で、ショウやトッドなど地上から召喚された「聖戦士」の直属の上司だった。

また、ドレイクからは娘であるリムルとの結婚をにおわせるような「餌」をまかれていて、ドレイクの後継者の位置に最も近い存在であった。

しかし、ショウがドレイク軍を裏切り、トッドはそのショウに撃たれ、自らもオーラバトラーに乗って出撃するがショウに敗北。

その後もショウとの戦いで敗北を重ね、また指揮官としての作戦の失敗などから隊長の座を降ろされることになる。

その屈辱からショウを仇敵として付け狙うが、その度に敗北を重ねる。

『やまなしなひび』というブログで、バーンを“「主人公に負け続けるライバルポジションのキャラがどうなっていくのか」を描いたキャラ”と評していてなるほどと思った。『聖戦士ダンバイン』というアニメの面白さを語る

当初は忠義の武人のようなキャラが、主人公との戦いで敗北を続けることでやがて憎悪の塊のようになっていくのだが、その過程がしっかり描かれているためか、個人的にはどこか感情移入してしまう部分もあるキャラだ。

トッド・ギネス

ショウと同時期にバイストン・ウェルに召喚された地上人の一人。

陽気で気さくな性格で、序盤はまだ味方だったショウにアドバイスを送るなど面倒見の良さも見せる。しかし敵になったショウとの戦いで何度も敗北を味わい、やがて復讐心を抱いていくようになる。

母親想いの一面もあり、トッドの戦う理由が「母親に楽をさせてあげたい」ためであったり、最期の言葉も母親へ向けてのものだった。

どこか憎めない性格でそのキャラクター性からか視聴者からの人気も高かったようで、雑誌『アニメック』では彼が戦死した際に追悼企画として「トッドの部屋」という読者コーナーが設けられた。

また『スーパーロボット大戦』でもその人気が反映されたからか厚遇されることが多く、トッドが登場する作品では大抵条件を満たすことで自軍の仲間になる。

ジェリル・クチビ

ショウやトッドらに続き第二陣として召喚された地上人の一人。

逆立つ真っ赤な髪と青いメッシュが特徴的な女性。

攻撃的な性格で、オーラバトラーに登場した際の戦闘力も高く、初陣の時から非凡な実力を見せていた。

『ダンバイン』という作品においてジェリルが特に存在感を示すのは、彼女が作中でハイパー化現象を起こした最初の人物だという点だろう。

ハイパー化とは、人間の負の感情(憎悪、嫉妬、殺意など)などによってオーラ力が増大することにより、乗っているオーラマシンが巨大化する現象のこと。正確には機体そのものが物理的に巨大化している訳では無く、機体を覆っているオーラバリアーが実体化して膨れ上がり、巨大化したオーラマシン像を形成している。この肥大化したバリアはオーラマシン本体の動きをそのままトレースするため、事実上オーラマシン自体が巨大化していると言えるほど攻撃力が飛躍的に増大している。

ジェリルは、ショウとマーベルとの戦闘中に怒りと憎しみのオーラ力を暴走させ、レプラカーンをハイパー化させる。

その強大な力でショウのビルバインを追い詰めるが、暴走するオーラ力を制御出来ずに自滅する形で敗北し死亡する。

高いオーラ力を持ちながらその力を制御できず最後は自滅してしまったジェリルは、オーラ力の負の側面を象徴するキャラクターと言える。

その他のキャラクターについて

『ダンバイン』にはこの他にも、主人公ショウたちの最大の敵であり、冷徹かつ豪胆で覇王としての器と度量を兼ね備えたドレイク・ルフトや、バイストン・ウェルにおける争乱の原因であるオーラマシンを作った技術者であり、策謀家としても有能なショット・ウェポンなどの敵キャラが登場する。

また味方キャラにも、ミ・フェラリオと呼ばれる小さな妖精のようなマスコット的キャラクターのチャム・ファウや作画を担当したがるアニメーターが続出したと言われるナの国の女王シーラ・ラパーナなど魅力的なキャラが多い。

最後に

『聖戦士ダンバイン』は、当時としては斬新な設定やメカニックのデザインのため、商業的には成功したとは言い難い作品だ。

しかしながら、「主人公の異世界への転生・転移」「ファンタジー要素を含んだロボットもの」「生物的なデザインのメカニック」など、後の作品に取り入れられてヒットした要素を多く含んでいることから、アニメにおける新たなジャンルの開拓という点においては、『ダンバイン』の挑戦的な試みは成功したとも言える。

そんな作品が今の時代に改めて評価されランキングで1位を獲得したことは、ある意味当然のことかもしれない。

聖戦士ダンバイン公式サイト http://www.dunbine.net/

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